『共通テスト分析 数学ⅠA(後半)』
生徒への指導を生業としている以上、新聞や大手予備校等の発表を鵜呑みにして、「共通テストは云々・・・」と語るのは許されない。
そこで私が
実際に解いて感じたことを、大手予備校等の分析とできるだけかぶらない部分でお話していきます。
本日は『数学ⅠA(後半)』
第3問(選択問題・確率)
(1)は反復試行・条件付確率の基本なので問題はない。万一(2)でつまづいても、飛ばして(3)に行けば効率は悪くともパワーゲームで処理できる。(2)に気づかなければ(3)の計算がかなり煩雑になるとの見方もあるが、実際に解いてみると、確かに計算力は要するものの、そこまでの差はないのではないかと思う。
むしろ効率的な処理を考えるのであれば(4)である。(3)の結果から"B>C>A"となることは明らかなので、選択肢と相談してAとDの大小関係のみを確認すればよいことに気づくべきである。
第4問(選択問題・整数の性質)
(1)は問題の設定が理解できているか否かの確認。(2)は一次不定方程式の基本。ともに問題なし。
得点の分かれ目は(3)の(※)の条件を使えるか。"∔15" だけではなく"―15" も考慮できるか、すなわち5x―3y=-7に持ち込めたか。このことを踏まえて、0~14のすべての点にマイナスの値も書き込んで処理すれば、(4)の処理もさほど煩雑ではない。
やはり(3)をすんなり乗り越えれば、選択問題3問の中ではもっとも得点しやすかったのではないかと思う。
第5問(選択問題・図形の性質)
いろいろなところの解説にある、円が3つも出てきて煩雑であるというご意見には、私も同意する。
しかし、内容的には実は極めて平易な問題である。『内角の二等分線が与えられたら「辺の比」を考える』『直角三角形の斜辺に垂線を下ろしたら「相似」ができる』という中学の知識がしっかりできていれば解ける問題である。試しに図を書いてあげて「方べきの定理」などの言葉を外せば、解ける中学生もいると思う。
そもそも「方べきの定理」が「相似」から導き出されることを考えれば当たり前のことなのだが、途中「方べきの定理」への誘導はかえって邪魔だったのかもしれない。
ただ、最後の設問だけはちょっと厄介だったか(特に図が汚くなっていると)と思う。
以上、「感じたこと」なので主観がかなり入り込んでいることはご容赦願いたい。
ナガブロで書かれていた方もいらっしゃいましたが、高校入試の段階から「目先のテクニック」だけに頼るのではなく、数学の本質的なところからしっかりと教えていただくと、その力は大学入試にまで活きてきます。もちろん、生徒の「学力の現状」と「志望」によりますが。
以上 学長でした
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