『共通テスト分析 数学ⅡB(前半)』

クレドアカデミー

2021年01月21日 16:05

数学ⅠAに引き続き、『数学ⅡB』について、私が実際に解いて感じたことを、大手予備校の分析とできるだけかぶらない部分でお話していきます。

本日は『数学ⅡB(前半)』




第1問 [1]
 三角関数の合成からの出題である。(1)(2)の(ⅰ)までは何ら問題がなく、確実に得点してもらいたい。
 問題は(2)の(ⅱ)(ⅲ)である。合成が加法定理から導き出されることは、本来最初に学ぶべきことである。しかし、現在採用されている教科書では、そのことを前面に押し出して理解させようとはしていない(わずかに触れる程度である)。高校生からその「学ぶべき場面」を取り上げておきながら、テスト本番で「さあ考えろ」というのはフェアでない。

第1問 [2]
 相加相乗平均を使う場面もあるが、指数に関する基本的な計算を丁寧に行えば解ける問題である。
 ト・ナあたりは、偶関数・奇関数を普段から意識していれば幾分楽かもしれないが、正解にたどり着くのに必須という訳でもない。
 最後のネも(α,β)=(0,0),(1,0)あたりを入れて考えれば簡単に決着がつく。
 分量も少なく得点しやすい設問であったと思われる。

第2問
 微分・積分に関する基本的な問題である。時間と得点の両方をともに稼げるところであった。
 サ・シ・スのところは、いわゆる「1/3の公式」を使って簡単に処理したい。この公式自体は、昨年のセンター試験でも散々使わせられたので、当然準備しておくべきところである。
 セは選択肢のグラフの縦軸がc、横軸がbになっているのだから、a=1を代入した上でc=  の形に変形すれば、すぐにわかる。
 同じグラフを選ばせる問題だがナについては、普段からf(x)やf'(x)の形からグラフの概形を考える習慣が身についていると楽だったと思うし、そのような習慣は是非身につけておいてもらいたい。


前半に関して思うのは、第1問の[1]でつまずきさえしなければ、そのあとはあまり難しいところはなく、むしろ得点しやすかったのではないかと思う。



選択問題(第3問~第5問)については、また明日。


以上、学長でした。


関連記事