受験の効用
以前、受験生の指導だけを担当していた頃の話です。
当時、3月・春期講習会のころになると毎年愕然としていました。
教室にいる生徒たちがものすごく子供に感じられたからです。
つい先日までは、入試直前で目の色を変えた受験生たちがそこにはいました。
受験の功罪については、昔から色々言われます。かつては「受験戦争」「受験地獄」という言葉さえありました(いま改めて活字にするとすごい言葉ですよね)。
私の「受験」に対する個人的な見解は別の機会に譲るとして、私が目にしてきた「受験」に関する『事実』があります。
子供たちは、受験を通して『成長』します。春先4月頃の生徒と、3月受験直前の生徒ではまるで別人です。日に日に成長して確実に大人に近づいています。
「受験」という壁にぶつかり、それと正面から向き合い、それを乗り越える。そのことによって子供たちは成長していくのだと思います。
しかし、子供たちはその壁を乗り越えたあとの自分を知りません。乗り越えたあとの自分の姿を想像すらできません。
だから、様々なことでくじけそうになるのです。そして、くじけてしまったら成長は望めません。
「何とかこの壁を乗り越えさせて、新しい自分を見せてあげたい。」「自分の可能性に気づかせてあげたい。」毎年この時期に強く思うことです。そして今年も全力を尽くします。
辛島
関連記事