啐啄(そったく)

 校長の鈴木です。

 中学3年生になったばかりのある生徒が私のところへきて言いました。
 
 「文章問題がどうしても苦手で、今のうちになんとか克服したい」
  
 その生徒は数学の文章題に苦手意識を持っていて、実際に点数がとれません。

 しかし運動部が忙しくなかなか授業時間もとれません。

 数学の文章問題以外にも次のテストまでにやるべきことはたくさんあります。

 ですので私は、 
 
 「まあじゃあ、今度の授業でいくつか基礎的なところをね、おさえますか」と言うと、

 ちょっと間があり、

 「吐くほどやってもいいです」

 その生徒はまっすぐに私の方を見つめます。

 「(し、真剣な眼差し...)あら、じゃあ頑張ってもらいますか(というより私も頑張らなきゃなぁ...)」

 そんなやりとりがありまして、急きょテキストづくり。

 
 
 
 日曜日の遅い時間に3時間ぶっ続けで特別授業を組みます。

 合計21問全30ページ「規則性」「方程式」「関数」「確率」などのわりとややこしい、長い文章の入試過去問を厳選。

 私は「フフ、ついてこられるかな?」とか言いながらガッツリ指導。

 
 次の週も、3時間ぶっ続け。
 
 また次の週も、3時間ぶっ続け。
 

  生徒は意外にも楽しそう。どんどん理解していきます。バシバシ質問が飛んできます。

  私は思いました。

  「なんとかしたい!」とか「わかるようになりたい!」とか、学ぶエネルギーが高い時って生徒の集中力はスゴイ!
 
  まずい、私のほうが先に吐いてしまう、とか思いながら運動不足の足腰に叱咤激励するのでした。

  鈴木  


2015年05月01日 Posted by クレドアカデミー at 14:31中等部☆指導風景