公立高校入試制度改革

長野県教育委員会から「公立高等学校入学者選抜制度」の第二次案が示されました。

第一次案に対し「制度が複雑化している」との意見を踏まえ修正を図ったとのことです。

しかしながら、①前期選抜における学力検査を全県共通の選抜資料としたこと、②後期選抜における「得意活用型選考」のパーセンテージを10%に引き下げたこと 以外に大きな変更点はみられないように思えます。(なお「不登校生等への配慮」についきましては、非常に重要な問題ですのでここではあえて触れません)

これで「複雑化」が解消されたのでしょうか?


そもそも、制度の複雑化は悪いことなのでしょうか?


私見ですが、入試制度の多様化は不可欠だと考えています。

各学力層に求められる学力の到達度を、現行の単一的な入試制度で測ることはもはや意味を持たないと思います。

厳しい言い方ですが、現行の入試をパスしても、学力上位層は高校進学後の授業についていけるだけの学力が担保されていません。

学力中低位層にとっては、努力の成果がダイナミックに結果に反映される形になっていません。

単一的な、形式上のみ平等な入試制度は、本当に子供たちのためになっているといえるのでしょうか。


今回の制度改革の根本的な問題は、現在横たわっている大きな問題を、「チョイ足し」で目先を変えようとしている点にあると思います。そのことが多くの人の目に、意味のない『複雑化』として映っているのではないのでしょうか。

今、求められるのは「チョイ足し」の変更ではなく、まさしく『転換』です。そして正当な『転換』に伴い制度が複雑化するとしても、丁寧な説明を行えば必ず理解を得られると信じています。


今回は、かなり「ざっくり」とした話になってしまい、誤解を招く点も少なからずあるかもしれません。つきましては今後、不定期になるとは思いますが、少しずつ補足させていただきたいと思います。


以上、学長でした。  


2019年10月02日 Posted by クレドアカデミー at 14:50学長コラム