東大の祝辞

去る4月12日に行われた東京大学の入学式で上野千鶴子東大名誉教授から送られた祝辞が、入学式の祝辞としてふさわしいか否かといった議論になっていると、ネットのニュースで読みました。

どのような祝辞であったのか興味がありましたので、私も全文に目を通させていただきました。

そのとき、ふと思い出したことがあります。

私が大学受験をひかえていたとき(何年前かは不問にしてくださいね・笑)、ある先生がこのようなことをおっしゃっていました。

“君たちはこれから大学に進学しようとしていますが、当然のことながら大学とは『学問』をするところです。では、『学問』とは何でしょうか? 『学』とは言うまでもなく「学ぶこと」です。様々な知識を旺盛に吸収してください。一方『問』とは「批判」を意味しています。既存の概念を何の疑いもなく盲信するのではなく、本当に正しいのか批判し真実を探求する姿勢です。皆さんは大学に進んだあと、思う存分『学問』をしてください。”

もう何十年も前の話ですから、一字一句正確に覚えているわけではありません。しかし何十年も前の話が記憶に残るぐらい衝撃的ではありました。今思えば、当たり前のことかもしれませんが、当時何も考えていなかった高校生の私にとっては、その後の大学生活を方向付ける貴重な言葉となりました。

小学校の入学式の祝辞ではないのです。これから『学問』を始めようとする最高学府の学生に向けた祝辞なのです。これほどありがたい祝辞はないように私には思えました。

祝辞の内容をすべて肯定する必要はありません。むしろ、挙げられているデータをはじめ、あらゆることに疑いをいだき、検証し、仮説を立て論証する。そのような知識と手法、そしてなによりもそのうな姿勢を一人でも多くの人に身につけてもらいたいと感じました。

東大だけではなく、大学に入学された皆さん、すばらしい大学生活をお送り下さい。

以上、学長でした。


東大の祝辞



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2019年04月26日 Posted byクレドアカデミー at 17:37 │学長コラム