『学習内容「2割」の行方』

文部科学省が小中学校の「教科書のうち約2割分を授業外で学ぶことができる」とする通知を、全国の教育委員会に出したそうである。

確かに新型コロナウィルスによる休校措置の影響で、授業時間が削られていることは事実である。

しかしもう少し冷静に考えてみてはどうだろうか。


文部科学省の試算は 年間登校日数を約200日 休校日数を約45日(22.5%)としたものである。

ちなみに長野県の場合、休校日数は約30~35日程度(15.0~17.5%)であると考えられる。

ここでは指導内容を次年度以降に先送りできない小学6年生と中学3年生についてのみ言及する。


【小学6年生について】

小学6年生の年間総授業時数は、1015単位時間である。

このうち「外国語活動の授業」70単位時間、「道徳の授業」35単位時間、「総合的な学習の時間」35時間、これら3つで合計140単位時間(13.8%)になる。 

これらの授業に意味がないというつもりはない、しかし「非常事態」であるのだから、他の教科を一律2割「自主学習」に回すぐらいであれば、この3つの授業の停止を優先させるべきではと考える。特に「英語」は今年から正式に授業時数に加えられるものであり、指導者の負担も少なくないと思う。


【中学3年生について】

中学3年生の年間総授業時数は、1015単位時間である。

このうち「総合的な学習の時間」70単位時間、「道徳の授業」35単位時間、「特別活動の授業」35時間、これら3つで合計140単位時間(13.8%)になる。

こちらも小学6年生の場合と同様に、れら3つの授業の「停止を優先させるべきであろう。


『修学旅行』などの特別なものを除き、これらの授業を削減することができれば、夏休みなどの短縮と併せて、現段階における休校の影響の大部分をカバーできるのではないだろうか。


一律2割の「自主学習」と比べ、どちらが「学びの保証」に資するものとなるのか、立場によって考え方も違ってくるかもしれないが、十分に一考の余地はあるものと考える。


『学習内容「2割」の行方』


以上、学長でした。


 



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2020年06月07日 Posted byクレドアカデミー at 16:04 │学長コラム