『共通テスト』考 《数学》

昨日・一昨日と『最後の』センターテストについて感想を述べてきました

しかし本当に『最後』でいいのでしょうか?

このまま『大学入試共通テスト』(以下『共通テスト』)に移行していいのでしょうか?

今日は『共通テスト』の「数学」の問題点の中で 一番わかりやすい問題点について私見を述べます


平成30年11月 第2回「試行調査」(プレテスト・実験的なテスト)が行なわれました

対象者には高校2年生・3年生が含まれていますが ここでは3年生のデータだけを取り上げます


調査に参加してテストを受けた生徒の85%強は 1学年中100名以上がセンター試験を受験する いわゆる『進学校』の生徒たちでした

その調査の結果 数学ⅠAの得点率(マークのみ)が36.17% 数学ⅡBの得点率が35.49% 

つまりⅠAの平均点が36点 ⅡBの平均点が35点ということです 


(大学入試センターHPより)


全体的な正答率50%を想定して作られていたと思われますが 結果は『作り手』の思惑を大きく下回りました

設問ごとにみても 正答率が5割を超えたのは44問中たったの10問にすぎませんでした

つまり 「問題の『作り手』と『受験生』との間の感覚のズレは予想以上に大きい」のです


もう一度確認しておきます 全国的に進学校の生徒が大部分を占める調査で この結果なのです


万一このまま このテストが導入されるとしたら 「数学なんて勉強しても点数変わらない」「数学やるぐらいなら他の教科を勉強したほうが合格できた」 そして「どうして数学なんて勉強したんだろう!!」 と思う受験生を数多く生み出すことになるでしょう



大学入試センターは 当然この点を改善した問題を作成すると言っています

しかし 実施まで1年しかありません もう試す時間もありません 

「初年度だから仕方ない」では済まされないのです


いずれにしても「まじめに数学に取り組んだ受験生が不利になる」

そんな試験だけは絶対に実施してはいけない

それは大人の責務です


以上 学長でした

  


2020年01月22日 Posted by クレドアカデミー at 14:55高等部☆指導風景